「鞍上のいぶし銀」の思い出
「いぶし銀」「勝負師」「職人」・・・
騎手生活を長く送られている方ほどよく形容される言葉だと思うのですが、
佐藤隆さんほどこれらの言葉が似合う方もそうそういない・・・
競馬場で隆さんの姿を見るたびにそう思いました。
全てを知り尽くしたように先行してじわりじわりと仕掛けて
最後は鮮やかすぎるほど後続を突き放したレース・・・
このまま、このレースは決まってしまうのかな・・・と思うと、
いつの間にかすごい勢いで追い込んできたレース。
思い切った逃げをうって、え?!と思わせながらも
しっかりそのまま逃げ切ったレース・・・その騎乗は本当に魅力があって、
一つ一つのレースにいつも一生懸命に騎乗されている姿はとても素晴らしいものでした。
それでいてどんなに大きなレースを勝たれても、
インタビューはいつも謙虚な姿勢で飾らない、素敵な方でした。
船橋競馬場で毎年行われる「ふれあい広場」では、とても優しく親切に接して下さって、
いつもの「勝負師」「職人」のときとは違う、隆さんの優しい一面も知りました。
パドックで写真を撮るとき、いつも「頑張って下さい」と願ってシャッターを押していました。
昔から隆さんはいつも、きりりとしていて他を寄せ付けないような雰囲気さえあったと伺っていますけれど、
パドックや馬場入りのとき、声援を送ると時々優しい笑顔も見せてくださいました。
そんなギャップも、隆さんの魅力でした。
鞍上のいぶし銀・佐藤隆
船橋競馬場に素晴らしい貴方という騎手がいたこと。
私たちはずっとずっと、忘れないでしょう。

この文は2006年9月、船橋競馬場で行われた「佐藤隆騎手追悼展」の際、
何枚かの写真と共に展示して頂きました。

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